Giorgio Faletti(1950~)の語り口なのだろうか、翻訳者の未熟のせいだろうか、印刷の字体と行間のレイアウトのせいか。こちらの意欲の問題もあるが、こうして外へ原因と責任を押し付けると楽だ。いずれにしても冒頭からこちらを預ける安心が生まれず素直に読み下すのが簡単でなかったこともあり、”I Kill” をなかなか読み進めることができていない。劇画的な描写のせいにした。書店で専門書を探していた際に、4/10に出版されたばかりの「七匹の蛾が鳴く」(DEILS DE MIEL / Franck Thilliez)(La Chambre des morts / 死者の部屋(2007公開) 原作 )を手にしてページを捲り、これで停滞を切り抜けられると即座に購入する。The Kingdom(2007) / Peter Berg(1964~)をレンタルしようと思ったが、すべて貸し出し中。G9を肩に下げたままふらっと紳士服の店に入り、店員のすすめられるままにジャケットを購入。つづけて電気店でワイヤレスマウス(elecom M-PADURBK )を購入したが、OS X10.5には未対応。Power Macでの使用に限られると後で知る。あれこれ(本当にあれやこれやと多々累積)仕事を含めた他の雑務を片付けて、荷造りをすると夕方になっており、頼まれて夕食のメニューを考え、麺をこんがりと焼いた焼きそばをつくる。デザートは杏仁豆腐とした。amazonでThe Kingdomを注文。酒はやめてFranck Thilliezを捲ることにした。今夜ははやく寝よ。
長女のMacBookにアプリをインストールし、諸々を調整設定。次女が受け渡されたiBookに専用のアカウントを設置して、メルアドを新設設置。自宅の環境を楽にするために、apple storeにて、 AirMac Express ベースステーション with AirTunesを注文。長女にクーリエとMacBookの特集記事の掲載された専門誌を熟読せよと渡してから、豊洲ララポートへ次女の自転車を決めようと出かける。
カナダ製のよいものがあったので、色とオプションを決め、購入予約しようとカタログを貰って、Food Circusにて休憩。春なのにふたたび寒くなったので、娘らを早めに帰宅させてオフィスに戻り、環境再構成。
The Kingdom(2007) は、トレーラーでの直観通りPeter Berg(1964~)の秀逸な知性を感じた。これは彼の俳優としてのキャリアが大きな支えとなっているのかもしれない。俳優が監督業を行う場合のリスクを跳ね飛ばす力に満ちているし、まだ若い。narc / Joe Carnahan(1969~)の出会いに似ている。と調べると、脚本のMatthew Michael CarnahanがJoe Carnahanの兄と知って、素晴らしい偶然に成る程と驚いた。
独りで24の国籍の人間と過ごした時の、どうしようもない他者との、ある日唐突に芽生えた友情の感覚と他者に対するリスペクトを憶い出していた。新しい倫理を構築するには、寓話であれ仮想であれ、それを支える思想に、自覚的な自己確認の審問メソドを、脚本なり、演出なりを、いかなる方法であれ、叩き上げて確固たるものとさせ、自信を持って横たわらせる勇気がなければよいものはできない。この現代的な他者性と、態度の正当性を扱う作品には、世界の現実的なレヴェルでの眺めの強さが、カメラ、編集、演出、脚本などの手法に満ちている。
所謂ハリウッド映画を、単なるビジネスモデルとして活性化させる古い世代の教条的な戒めを振り払い、娯楽性を逆転させて知性で牽引する世代に力が漲っていることは、人間はまだまだ捨てたもんじゃないと嬉しくさせる。これも「気概」という命題に大きく関わってくるのだろう。簡単に考えると、若い世代の作り手は、その才能如何よりも現実的に、古い世代よりも、日々あらゆる手段でより多くの情報を得て、ネットワークを拡張し続けているということが、新しく力強い倫理を構築する立場を強固にする所以でもあろうな。