石川県の人口が約115万、金沢市の人口は、100万人の兵士を1年間食べさせていた加賀百万石の文脈を経て、現在約46万。戦争天災などの被災破壊を受けていない市街地は、勿論近代化されながらも、過去がその形象に焼きつけられている。北陸新幹線の開通で、市街には路面電車の開発の声があがっている。庇護の元育まれた伝統工芸の地にあって、盛んに先端の現代美術が企画されているその姿勢に学ぶものが多い。単に歴史に縋るのではなく21世紀美術館という存在そのものが場所の未来をその姿勢で具現化させている。時節柄か平日なのに若い世代の観覧者が多い。この場で発覚する多くの才能が在ることだろう。仙台と似ていると感じたのは、若者が過去と向き合って学ぶ由緒在る大学が幾つもあるからでもある。北陸の錆色の古い街だが独りで何度も歩きたいと思わせる。