大江戸線で直通とは便利だった、練馬文化センターへ、講習帰りの長女と西武池袋練馬駅北口で待ち合わせて、次女の吹奏楽コンクールを観に行く。都内の中学校の吹奏楽部の生徒が溢れるロビーを抜けて、牛込3中の出番を待つ。
吹奏楽特有の音響の豊かな膨らみになにかしら感動する。子供達の真摯でまっすぐな演奏姿勢が眩しい。
きらきら光るトロンボーンを持って顕われ、すました顔で演奏準備する次女を長女と見つけて、おもわずオヤジは手を振る。力強い演奏をどきどきしながら聴く。撮影・録音禁止とチケットには書いてあったが、ここで使わなニャどこで使うんだぞっとMR-1を隠し持ち、録音開始。吹奏楽といった訓練環境で得るものは大きいだろうなあと、羨望の心持ちが甘く生まれる。ホーン系の音ってよい。ハルボウよ、トロンボーン奏者になりんさい!と心で叫ぶ。牛込3中がプログラム220番目って、東京には一体幾つ中学があるのだろうと、ごったがえすロビーをすり抜けてさっさと会場を後にし、長女のiPodのイヤフォンで録音を確認すると、細部までクオリティー高く録音されており、ふたりで聴いてすげーなと驚く。神楽坂まで長女と一緒に戻り、夏期講習帰りでお腹のすいた長女とサンドイッチを食べ、少々受験対策談義。
yudaから届いたG5をバラバラとオフィスに広げたままだったので、オフィスに戻るため大江戸線に乗車し、明暗の続きを捲る。最近、地下鉄等の移動列車内で、本を捲らずに居ることが手持ち無沙汰でできなくなり、捲るものが無い時は、何をしたらよいか途方に暮れて、意味なく人を見詰めてしまうらしい。視線を嫌がられて拒絶するような睨みを幾度か受けた。
明暗の、津田とお延を往復する執拗な精神の揺らぎの描写がこちらの肉へ忍び込んで、当事者たちのイジマしい関係性の綾の縺れに呼応するような淵に降り立って、執筆世代が現在の私と重なる漱石の筆致に、あなたはこうして社会へ言葉を与えていたのねと頷いて移動の時間を過ごす。
オフィスにて、次女の演奏録音を聴きながらG5のチェックと、設営。
takenouchiより受験アドバイスの連絡を貰う。お盆には帰省するようなので、その後にでも会おうかと。