_DSC1509

気象に無意識に預けた軀は澄み切っていくけれども同時にある意味で凍り付くと知る。

 ルーズな日々の流れをいつ喪失したのか。見えることや聴こえるものが透き通り無垢が流れ込む。これを成熟と呼んでいいものだろうか。時に怠惰に呪いを呟いて贖罪に悶え同時に苦痛に歪めるようなルーズが流れているのが生そのものであるとしたら、それはそれで善良な形といっていいのかもしれない。
 静止する生などないのに、凍り付いたスタティックな世界の一瞬を吸い込んでいるうちに、それに溺れてしまったのか。

 冷ややかな野生の瞳が遺された鹿の頭をみていた。あの水晶はこちらの目玉などではなく、喉の淵にあるなにものかであると今は判る。