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構築頓挫の姿の中に憑依が潜む光景を割と長い時間くよくよと浮かばせて転がすばかりはよかった。その過程そのものが他と連動同期することを楽しむような気配も許した。

最近腑に落ちる映画物語の構築手法のほとんどは、物語自体のギミックということではなく作り手の解釈の錯誤をそのまま提示するビヘイビアに在る。その現在的な流れのようなものに逆らわずにシンクロする展開を思索へ運び込むが簡単ではないし、どこか何かが足りないと感じる。多分ボリューム的な問題でもある。

戻って「未完」「不足」苛烈に示せば「堕落」「怠惰」転じて「悲劇」となれば転倒するけれども、ある種の保留された状態、二の足を踏む苛立と迷いに魘されている時空が気質のオプションとしてデフォルトで装着されていることを考えるに至る。