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 紆余曲折があり計画が都度頓挫しながらもようやく。

 Canonは長い間MFレンズばかりで純正AFを手放したのはレンズ設計の何かが気に入らなかった。NikonのAF系f1.8/50mmを使ってみると、AFという設計思想が見えてきた。よって解放から固めのf1.8/85mmも試す事にして、Canon,Nikonを併置し別の画角で補う最近の自身の傾向をそこへ足すと、どうやら、諧謔的俯瞰の世代となったかと失笑する広角へのバイアスがはっきりと選ばれたレンズに示される。

 100mm以上の望遠をと考えたこともあり、勿論望遠レンズの世界に興味はあるけれども、固有な生に培われている世界把握のバイアスに逆らうことはやめようと決めた。つまりこれは存在に対しての距離感のようなもので、近視眼的な迫り方はどうも腑に落ちないから仕方ない。

 同時にライカのモノクロームによって色彩が渇望されていることも否めない。面白いことはビビットにあるいはリリックにという鮮明な色彩ではなく、「色彩がある」という程度のニュートラルな検証が必要というだけが。