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一段落して、随分長いこと長大な夢を見ながら泥酔するように眠っていた。学生の頃の二三度会話をした程度の女性が年齢を重ねて現れ、共に山に入るように誘うのだった。目立たない清楚な印象は変わっていない。川の横のポンプ小屋で挟まれて左足が裂けていた。骨がみえるのに痛みが無いのがひどく怖かった。女性は今はこれしか方法がないと、傷口を指で広げて毟った植物を押し込むのだった。

目覚めてから髭を剃り、湯槽で身体の不具合を確かめるように時間をかけて横たえていた。仕事の集中と効率から無音環境を守っていたが、音響空間へ身を埋めるように、若い音楽家のシベリウス(1865~1957)と、後期ショパン(1809*10?~1849)作品集 / Maria João Piresを聴き続ける。
優れた音を聴くだけで、音楽家(演奏者)が100年前の楽譜を実直に辿る理由がわかったつもりになる。時間を遡行して過去の思想に触れるというより、その音響に始まりと終わりが重ねられて、都度新しい響きのリミックスが広がるわけだ。そういう意味でクラシックにどっぷり溺れてみるのも良いかもしれない。音楽家はスコアを辿る事で、時間軸と人間性の差異を、今此処という実現に、自分の存在を実感しつつ与えている。ふとセザンヌ(1839~1906)が浮かび、彼は音楽家的な画家だったんだと独りごちた。パリのオルセーで観たセザンヌの樹々はノイジーに揺れていた。
セザンヌ曰く「絵画は、堅固で自律的な再構築物であるべきである」wiki

合間に聞いた、村治佳織のLumieresがとても新鮮なので、武満徹の楽曲も収録されたTransformationsをiTunes Storeでダウンロードするとこれが良いのだが、ultimate earsがノイズ気味にへたれてきたので、audio technicaの新製品購入を迷う。
価格.com クチコミ

ビロードの森 / 佐藤礼央 (iTunes Store)
sopiri+ / 佐藤礼央 (iTunes Store)
Finesse / All of the world (iTunes Store)


10 minutes older(the trumpet, the cello) が土曜の夜届いたので、夜遅くなってから観る。
15監督作品のうちいくつかは首を傾げたが、ほとんどの巨匠達は流石10分という時間の短さを感じない構築を果たしている。この10分というフォーマットは新しい映像テンプレートとなっていい。スクリプトがはっきりフィルムに顕われる。すべてが作家の遺書のような香りがする。映画館で観るべきだなあ。

空が白み出した頃、*Claire Denis(1948~)作品の音響だけところどころ抽出し、iPodに放り込む。

*White Material (2008) (post-production) ,35 rhums (2008)
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