小学校から高校迄、意味の無い朝の朝礼の寒さは辛かったと記憶があるが、どちらかというと寒さは嫌いではない。最近の冷え込んだ朝の大気を吸い込むことがむしろ気持ちがよい。こうした季節、iPodから聴こえる透明で危うさのあるガラスのようなヴォイスはセンチメンタルに血液に染み渡る。
風邪で臥せっていたことも忘れ、恢復を喜ぶ気持ちがあれこれ呼び込み、本来ならば椅子に座して淡々と仕事をしなければいけない週を、記録することも放って慌ただしく過ごしていた。
小暮君の個展にて、ガリオに手伝ってもらいインタビューを撮影。「インドの教え」/小暮満寿夫著を購入。来年春頃に物理に関する本を父上と共著執筆出版の予定とのこと。楽しみ。なるほど作品は反重力の浮遊感が漂う。自身の1989年の「夜の重力」のエッセンスを憶い出す。会場で偶然に久しぶりに平町君と再会し、互いに息災を労う。会議を挟んで、藤井浩一郎君の2回目の撮影をUBOATにて再度お願いし、咳にマミレながら読んでいたJames P. Hoganと、藤井君の構想がこちらの中で勝手に符号して、いささか頭の中で飛躍が錯綜し興奮して喋りすぎた。(藤井君のー人間はいずれ外へ出ていきますよねーという言葉が、こちらの此処に居て外を想うことのじれったさをさらっと気持ちよく払拭したようだった)
再度会議の日を挟み、10歩進んで9歩戻り、また10歩進むという案配の仕事を、休日を潰してそれでも丹念に行って、師走の月に入る。3部作の続編「内なる宇宙」を移動時等に読み始めるが、構想と展開が、これこそ外の果てのコトであるので、イメージを作家の構想に直接繋げるのに若干苦労しながら(読み込む側の認識の継続と接続力を要求するので)、急がずに頁を捲ることにする。うわずった覚醒で眠れない時に、Layer cake(2004),Serenity(2005)を娯楽として観ていた。
発電床の開発、東京駅での展示で忙しかったというtakenouchiから、開発の詳細を教えて貰う。現実的な稼働への移行は数値的に無理らしいが、こうした仕事は、火星移住シミュレーションなどと似て、人間の構想力を試す所謂「良い」仕事と感じる。来週の木曜日あたりに忘年会でもやろうか等と話す。
病で受け取りの遅れた現像フィルムを覗き込み、あらためて67の威力を思い知る。DVD編集制作、DV編集、画像編集などの仕事が他業務と折り重なっているので、今週は座り込みながら走り、読んで座り込むような週を送ることになりそう。
こちらに来ていたGentaに妙に凄い車が走っていたと漏らしたものが、オロチだったと判明。月面のハイウェイをぶっ飛ばしてみたい。が、シャーシは国産のものらしい。そのプロダクトの流れでtakenouchiの口から出た「魂の駆動体」/神林 長平著を、6作予定されているらしい大友のFREEDOM 1と一緒にamazonクリック。takenochiは自称スーパーカー世代だから、Lancia Stratosがよろしいようで。
学校のスケジュールで一週間半日通学となった次女と、早朝からの仕事を仕舞った午後3時すぎに、ホットプラザ晴海へ泳ぎに行く。ハダカの人間が数人しかいない施設内でのびのびとカラダを伸ばす。ジェットの噴射を最大のレヴェルにしていただき、それでも渓流を上流へと泳いでいるような気分になる。ほんと此処は穴場だなあ。ジャグジーに両腕を広げて座り、見事な夕焼けを眺めると、晴海のグラウンドで、8名の白バイ隊員の練習が望めた。淡々と延々とむつかしいコーナーを上手に回り、速度を自在に操る技術に驚く。延々と続く鍛錬があればこそだなと納得する。白バイ隊員流石です。でもこうした練習場所があり、また練習自体がお仕事だものなと重ねる。
娘が風邪にやられないように充分カラダを暖めさせ、着替えた後も髪を乾かして、こちらは背骨と腰を按摩椅子でじっくり揉む。勝どき橋脇のデニーズでデザートを食べつつ、チンクルの攻略と、土曜日に放送されるTV番組にでるから録画してなどと話を聞く。冬時間となり5時なのに暗くなったので心配だったが、独りで大丈夫と地下鉄に乗り込む次女を見送り、固くなったカラダを解しながら歩き、オフィスに戻る。
毎日泳いでもよいか。などと。