鮎川哲也受賞作ヴェサリウスの棺/麻見和史をamazonにて注文。
週末に、インフルエンザがややぶり返して、今度は喉の左側のリンパ線に痛みが移ったので、大人しく横になって薬を飲みまくり、アイスを一箱買って舐めながら、詩への小路/古井由吉、群衆論/港千尋、フランシスベイコン肉塊の孤独/ダニエル・ファーソン、スコットランド紀行/吉増剛造、戦前の思考/柄谷行人。などと乱読。途中何度かそのまま眠って酷い汗で目覚めた。都度シャワーを浴びて着替えを繰り返すと、喉の痛みは消えたようだ。波はあったが、結局7日間、インフルエンザに冒されたという計算になる。
咳もでないようなので、今日はこれから学校へ講義に出かけ、現像等も受け取りに行かねばいけない。詩への小路を地下鉄にての読書に決める。快晴なり。
ヴェサリウスの棺/麻見和史にはがっかり。我慢して最後迄猛烈な速度(おそらく3時間ほど)で読み終え、ミトコウモンかと吐き捨てた。リアリティーが希薄。キャラがふにゃふにゃ。場末のアングラ劇みたいに、皆が立ち止まって喋りすぎ。お粗末なギミックが全て透けて見え、三段落ちだろうが4段だろうが、お話にならない。人間の日常というリアリティーがぽっかり欠落しては、会話の細工をしても人間の魂が顕われない。設定とか世界観の問題ではなく、おそらく言葉の問題。こうした作家には「冷血」を読み込んでいただきたいものだ。これじゃあ長女にも薦められない。この国の映画産業の一角を支える脚本も、同じ問題を抱えている。頼むぜおい。
非常に不満が膨れ、活字に一挙に飢えてしまい、
風の影(上) (下)/カルロス・ルイスサフォン
インディアナ、インディアナ/レアード・ハント
3001年終局への旅 / アーサー・C. クラーク
わたしの名は「紅」 / オルハン パムク
デス博士の島その他の物語 / ジーン ウルフ
頼むから静かにしてくれ〈1〉〈2〉 / レイモンド カーヴァー
ポートレイト 内なる静寂—/アンリ・カルティエ=ブレッソン写真集
99999 / デイヴィッド ベニオフ
星を継ぐもの / ジェイムズ・P・ホーガン
あなたに不利な証拠として / ローリー・リン ドラモンド
と、やや乱暴に、腹を減らしてラーメン屋に駆け込む風にクリック。
ついでに長女に、アイスクリームのおやつという感じで、
照柿 (上) (下)/ 高村 薫
ららら科學の子/ 矢作 俊彦
を送付。まだ咳が出る。