4日続いた連日の飲み会で深夜まで酒を酌み交わし疲労しながらも、朝にはぽっかりと何も思わぬ感覚で目覚め、ランニングを続ける。ほぼ歩行と同じジョグと、やや意識した走りを繰り返す度に、成る程酸素の取り込みが向上するようだが、3日目には、太腿に筋肉痛が纏わりついた。実家の裏を流れる浅川沿いを上流へ走り、橋を渡ってUターンして下流へ下る。地方都市の良く晴れた気持ちのよい大気の中、息があがり、下半身に痛みが残るなんとも堕落した肉体が恨めしい。まあ、気負わずに呑気な気分で、遅々と続けてみましょう。
Ikeda,Genta,Rui,Aoki と養老の滝で呑みながら、皆の若い体力の数字をあれこれ知って嫉妬する。Gentaから、「冷血」読了を聞き、焦る。Ikedaより、新作情報ゲット。月曜日体育の日の今井君の披露宴に出席するため、シャツは購入しようと考えていたが、靴まで気が回らず、スニーカーで来てしまっており、仕方なく靴も購入。
母親の遠縁の人の訃報が届き、婚礼と同じ日に葬式となった。亡くなった人はこちらにも若干記憶があった。
今日は、数日前の雨に濡れた日々を喪失しそうな快晴。
今井君の披露宴にて、久しぶりに小野君、戸井田君、宮澤君と円卓を囲み、懐かしく歓談しながら新郎新婦を祝う。ランニングを台無しにする、贅沢で食しきれない料理にお手上げ。正午前から始まった披露宴は午後2時過ぎには終宴となり帰宅。実家に戻ると葬式から戻った家族とこちらの引き出物を居間の卓上に並べ、こちらは首元の窮屈なスーツを放り脱ぎ、連日の疲労も若干あり、ベットに読書をとページを捲った途端瞼が落ちて夕方迄眠る。
書斎に残した書籍、メディアから必要を選びつつ、衣類も加えて送付の箱を荷造りする。今回は美術関連の書籍と、犯罪の昭和史1、2、3を忘れずに。
Ikedaの突然(原因不明)HDクラッシュを憶いだし、データのバックアップを真剣に考慮しないといかんと、メール受信専用に、寝かせてあるがまだ元気なiMacをオフィスへ送付することにする。東京へ戻るのは明日の午前と決めて、実家書斎の整理に突入。母親が夕飯は秋刀魚にしましょうと、父親と連れ立って買い物に出かける。此処では主に父親が使用しているMacminiG4に、Francois Rabbath/Ina a Sentimental Moodをインストールし聴くと、季節と環境とこちらの気分が相乗的に作用したか、ぐったりと流れ込む。コントラバスは最近鳩尾に効く。


フランソワ・ラバト(1931~)/若い頃先鋭的なジャズ・ミュージシャンと共演していたかとおもうと、40歳を過ぎて突然オペラ座のスーパー・ソリストに「就職」したという人物。グルと呼ばれた人物。過激なフリー・ジャズを演奏するベーシスト。色とりどりのサウンドを楽器から引きだすテクニシャン。そしてクラシックの演奏家としてオーケストラとも共演している。
イン・ア・センチメンタル・ムード/ジャズのベーシストがクラシックのスタイルで演奏したものでも、クラシックのベーシストがジャズのスタイルで演奏したものでもない。まさにラバトというユニークな個性が、その熟練したテクニックをまったく意識させないほど、まるで鼻歌のように自然に紡ぎだしたベース音楽のひとつの究極。
                                                                                                                      ーキングレコード 森川進 /より抜粋