急ぎの仕事が立て込んで忘れていた。誕生日など目出たくも嬉しくもない年齢になったが、携帯で娘らにおめでとうと言われると、そういうものかと背伸びしてこれまでを散漫に振り返った。ワタシはなるほど梅雨時に覚醒を始めたのかなどと。
娘に使わせているiBookに、新しいメルアドを使いたい長女の申し出を受けて、仕事場に持ってきなさいとオフィスに呼びつけて、アカウントを設置しようとログインするが、こちらの管理パスが通らない。1時間ほど悩んでなんとなく入力した憶えの無いパスワードが端末を開くので慌てる。娘に使えるように端末を渡す際にパスを変えたのはいいが、記憶を放っておいた。メッセも使えるように設置。apple iTunes music gift cardを娘宛に送信、長女が持参した学園祭のポスター原案イラレ原稿の送付など加えて、ノート端末のメンテナンスをしている間、娘らはキングコングDVDを観ながら大騒ぎするが、これも時には静かな仕事場が華やいで楽しい。スコアを持参した長女はギターの練習もしたかったらしいが時間がなくなり次回へ。
母親から子供たちを早く帰してほしいと催促もあり、最近の唐突で忌まわしい事件などが浮かび、振り払いながら、夕食は自宅でと駅まで見送る。
のんびりと家族で過ごす時間を得るように工夫しないと、殺伐とするなと仕事を残したオフィスまでの帰り道歩きながら反省。
深夜まで仕事をしていると、突然秋田の事件の容疑者逮捕のニュースが流れ、週刊誌などで憶測や風説が錯綜し騒がれていた事件だけに、不透明な人間のこうした罪というものが、何かひどく幼稚な発作のような病が動機であったら、被害者の家族はたまらないなどと思う。容疑者の表情に最近見たこともないような暗闇が浮かびあがっているように感じ、無性に怖くなってTVを消す。