注文から配達まで2ヶ月かかったソファがようやく届き、曲がった背骨を延ばして身体を放り投げ休日カウチ堕落した。それにしてもこのような大きな届け物を一人の配達人が届けたのには驚いた。チェアの時と同じで、私は届けるだけですがとドアの手前に置いたまま去ろうとする運転手兼配達人の若者を「おいちと待てそれはないだろう俺はどうすりゃいいんだ」と凄んで、でかい段ボールからブツを出させ、段ボールやクッション材などの余計を持ち帰るよう了承させたが、注文したものは思ったほど厄介な形状でなかったので、重かったけれども引きずって、入り口からの搬入セッティングは独りでできた。歯医者の待合室のようなソファはなかなかよい。若者ありがと。
捨てるわけにいかないデバイス機器の段ボール箱を無理矢理トイレに押し込んで、まるでアポロ宇宙船のような空間で用を足すことにも慣れたが、システム周りをもアポロ化させないと効率よい仕事ができないので、環境設計を新たにして、オフィス自体が業務機器の内部のようなものを考えるに至る。
問題は、入力系統ではなく、プレビュー、確認の出力系統を、ビジュアルと音響で構築しなければ意味が無いので、出力に絡むハブに相当する映像と音響のアンプ、ミキサーの位置づけには難航している。PCから相応のコンテンツを吐き出すと、出力デバイスによっては若干の遅延が生じるが、リアルタイムでの構築が、素材を準備し併置するといった従来の縦時間型の重箱手法に依存する場合は大した弊害にはならないけれども、個人的な手法のバイアスとして、素材加工準備と全体への組み込み構築を同時に行いたい者としては、この遅延がネックとなる。もうちと設計図を解体し、断片の性格を認識し直す所からはじめるべきだと反省。
新しいアプリケーション(FCS)のマニュアルはぶ厚いけれども、たかが説明文なので、目を通すことは思ったほど苦労ではない。ツールはどんなものでもそうだが、使い方を覚えることが肝心ではなく、それでどうしたいのかということであるので、広大な地面に向かってシャベルを持ち、どの位の直径の穴を掘ろうかなどという構築イメージを事前に持つというより、ツールによってイメージが導きだされるようなインターフェイスツールであることが望ましい。
そういう良いツールであれば、例えば、地面に向かってシャベルで穴を掘るというイメージを、シャベルでこの地面に水を導くという発想に転換させる力を秘めるものだ。ツール使用メソッドが極端に様変わりする。