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 google earthでみつけた小径に車を走らせると、車両侵入禁止の土手が道を横切って築かれていたので、その手前に駐車した。この時に既に「ウヒヒ」とにやけた。
 犀川と千曲川の合流する落合橋から少し下流へ下った川縁の空き地が、万年島運動場という妙な名称をつけられていて市が管轄しているとネットで調べていた。このあたりでは唯一河原へ続く道を衛生画像にみつけた。運動場といっても草野球ができるバックホームには貧弱なネットはある。ピッチャーズマウンドが気持ち盛り上がっていたが、ホームベースも塁ベースもない。芝生などどこにも植えられていない剥き出しの地面を数日前平らにならしたばかりのような、管理をできるけ手間ひまかけずに放られている。
 週末の午前だったが、季節柄人の姿はない。腰の高さに盛り上げられたまだつくられて新しいような土のバリケードを踏み越え、以前は使われていたのだろう車両のタイヤの跡、氷の残る道を歩くうちに、車道を走る車の音がブッシュに吸い込まれるように消えていく。立ち止まると身体が小さく震えるのだった。こうした場所では知覚が漲る。やはり狩猟とは良く見え良く聴こえることだ。机の前で浮かばせた狩猟の遺伝子を再びおもいかえした。
 二つの河川の合流地点に架かる落合橋から歩けば、橋がみえなくなる距離の場所だったが、合流はふたつゴツンとぶつかっているわけではないので、支流の幾つかが川下に引っ張られた髪の毛のように長くゆったりと混じり合っており、本流の脇に、ガラス面のような淵の沢があって、こりゃまるでノスタルジアとヌカルんだ柔らかい地面に立ち尽くした。遠くでぱあんと猟銃の発射音が響いた。長靴を履いてくればよかったと泥に埋まった白いランニングシューズを見下ろしたが、いっこうに気にならない。
 一週間前に河川敷を畑利用している農道に迷い込み、タイヤが泥にスタックし弱り果てて、車を汚し項垂れて戻っていたこともあり、ひと月の間、机の前で耳を澄まして目眩を起こしていたこともあり、万年島の人気の無い河原に立つだけで、身体や精神のマイナス磁性のようなものが抜け落ちた。帰り道憑物が落ちたから、これから良い事ばかり起こるぞと楽観の降り注ぐ無邪気が充ちるに任せた。
1×1
office 2008 インスト
saori’s MacBook setup support
講義・演習指導「skypeで親子を結ぶ」


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 列車で高崎までは、The King of Liesを読んでいた。熊谷あたりから雨粒が斜めにガラスを流れる車窓を眺めて、landmark / salyu (1980~) を聴き、そのまま流れる映像と声のサウンドラックに任せた。ナイス。
 オフィスで小林武史をググって、活動略歴を眺めてから、同世代の彼のリリックを全てみると、なんとなくgentaと似ている。ハルボウのiBook G3のポンコツラップトップに、なんとか古いタイプのskypeを起動させ、里奈も一緒に、サオちゃんとかと会議テスト。受験間近の受験生ハルボウはあんたもう寝なさいと母親に叱られる。

-昏睡(こんすい、coma)とは意識障害の一つ。意識障害の中で最も重いものである。-wiki
Shaking Tokyo (2008) / Bong Joon-ho (1969~)
Tokyo (2008)