車のドアを閉めて降りてから、車ではやはり駄目か。アクセルを踏み込みハンドルを握った時からわかっていた。
昨今の地方自治行政の、まだ見通しのきく新開地は勿論市街地では焚火を禁じる、指導より、戒めの倫理が人心に広く行き渡り、落葉焚きなど見かけなくなったが、30年前の活況を路なりのうねる形と陰影のみに残した街道脇に立つと、吹き曝しの埠頭とはまるきり違う、確かに焚火煙に頭を差し入れたような香りが脳髄に差し込んだ。同時に幾筋も記憶を辿る鍵のような懐かしいものも嗅ぎ分けている。移動の恩恵で場所が際立つということか。このスメルは壁から来るのかと振り返っていた。
車でピンポイントを移動する、点から波状拡張する「楽ちん」な歩行では、コト足りない。この香りが示すままシタタカに場所を追うように歩こうと決めて、今日は戻り1/25000地図を広げる。シャッターは押さずに考えた。暖冬ということだろうか、志賀の山に雪はまだ無い。成る程遠くが清潔に嗅ぎ取れる気象が整っている。
残光 (2006) / 小島信夫(1915~2006)
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