open source method

 ー1998年2月3日に、パロアルトにおいて、Netscapeブラウザのソースコードをどのような形で公開していくかという戦略会議の中でつけられた新たな用語であると説明している。ー

 秘技、奥義とかの、修練による習得技術を横に置いて、技を隠さないという宣言からはじまっている今世紀の透明性に馴染んで、手法自体を白日の元に晒すことからはじめるということがまずある。メタイメージが予め想像力の出発点に在ると考える特異性、特殊性の信仰はこれを阻むものだが、その場合の「メタ」的なもの自体、無根拠に矮小化されていると考えていい。つまり、道具としての世界に触れて始まるのであり、その tool avirity が、そもそも世界を再開示するのであって、問題は道具の捉え方、道具に対する態度という示され方となり、道具への愛が示されれば傲慢が、不逞が示されれば浅薄な諧謔が、間主観空間に独我城的に置かれるだけとなる。

 道具(イメージを伴う世界素材)と人間の無関係な位置を策定し、道具の使い方(手法)において、道具自体の世界存在が鮮明になることが導入であり、そして展開すれば、例えば数十万年打ち下ろす反復のハンマーが、星を捉える跳躍を試みるかもしれない。

 明晰な世界そのものである道具(素材)に、人間が浅ましくその場の都合で絡まり憑き、その嘔吐感漂う痕跡を遺すのは、倫理的には悪行と考えていい。