白枝譚


ものの色としての白
白と透明
物体がすべての波長の可視光線を(ほぼ)100%乱反射するとき、その物体は白いという。色材の発色の観点から見ると、白は他の色と著しく異なる。一般の色材は白色光の中の特定波長を吸収し、残りの波長領域が目に入って色として感じられるのに対し、白の色材は特定波長を吸収しないために、白色にみえる。 色材としての白の発色原理を概念的に説明すると、「透明ガラスを粉々にすると白い粉に見える」である。微細な粒子で乱反射させて白く見せているが、乱反射の効率を高めるために屈折率の高い素材が選ばれる。 塗料において白は不透明であるが(透明であれば、下層を透過して白く発色しない)、透明という事象の説明として、すりガラスの上に水を垂らすと透明になることが挙げられよう。透明というのは物質が密になり内部や外部の反射がなくなることである。このことは物理学者寺田寅彦が述べている。
ー wikiより

彩りのある作品が書斎に置かれたことによってこれまでいかに色彩に乏しい住空間であったかを思い知ることになり、基本的な欲求が無彩色にすすんでいたと今更に認識していた。撮影もモノクロームのディティールに言及するかの季節を過ごして丁度十ヶ月経ち、その狭間にカラー撮影もあったけれども、賑やかな色彩がリアルである感覚に心躍るわけではなかった。

色彩は人間にとっても世界自体も豊穣を示す幸せの表象だが、こちらの手の届くことではないと過去を振り返っていた。