デジタルデータの出力として、現時点ではこれが精一杯の、銀塩感光材料に直接レーザー露光する大型デジタルレザープリンタを使う、いわゆるラムダプリントを試すため、カラーはどうしようかと悩んだ挙句やめにして、デジタル白黒のデータ現像を行う。とはいっても、B1で、3万を超えるから(堀内カラー)、これはテストとは言えなので、それなりに腰を据えた現像とデータ作成が必要となり、恣意に傾かぬよう気をつける。A3程度なら、インクジェットで視認はできるが、作品となるとそうはいかない。やはり耐久性も気になる。
デジタルカラーの扱いは、個人的にはブック出力に限定しようと決める。
デジタル出力システムの遅れは、デジタルレセプターの高画質化に日々距離を広げているから、やはり35mmでも、フィルムの銀塩を手焼きするほうが賢明。
デジタルカラー自体の、最近の、巷にあふれる色彩も、プラスチック地獄のように感じるので、結局モノトーンに切り詰めるしかないが、これも、やはりフィルムへと促す因となる。
なんだか、構造の脆弱が露になって、プログレスの象徴的な突出である「デジタル」メソドの、こうした片手落ちも、なんとも開発暴走する熟慮の足りない人類の稚拙な姿のひとつと露骨に見えて、フランシス・ポンジュ「物の味方」をまた捲り、光景からやはり物質へ巡る感触の辿りに頷くけれども、「もの」自体へ回帰するつもりもないのが可笑しい。
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