タイムラプス併置とチャリ



 1990年代の自らの作品に手を加えるという一連の行為が、経年の成熟か退化か、あるいは右脳から左脳に日和った構造化なのかもわからんなと苦笑いを愉しんで、恣意の観測とはじめたものは、乾燥遅延の隙間の、これもまた記憶を辿り直す、DAWからハードに移行した音響探索と再構築の時間に唆されるようにすすめながら、予定では立体を扱う時間となっていると横目で積み上げられたままの彫刻素材を時折怨めしく眺めている。
 個展を終了撤収し、こうした平面の表層併置をおこなっていると、個展開催前には取組むと決めていた筈の立体インスタレーションでの、こちらにしてみれば禁忌とも感じられる可能性を転がして、未だどうすればよいのかわからないので外を歩く。月が変わるので態度決定を急かされている。
 同時期に実家新改築の進捗に都度照応、立ち会いを要請される、配電構造確認、各照明機具と設置家具の選定、自力造作物の設計などがあり、このところ急ピッチで姿形変容する建築の、図面から実存への変化にこころを踊らせていることに大きく影響される。

 二ヶ月前に診察数値から発覚した堕落身体の修復を開始し、血糖値を下げる服薬と減量身体改造は、以降二回の検診で担当医師より高評価をいただいたが完治終了したわけではない。個人的にはこの修復の身体恢復による効果があらゆる局面に届くものであるので、目標値のハードルを更に上げたけれども、こと減量に関しては測量の度に微妙なリバウンド的な上下を繰り返しているので、更に踏み込んだ食事改変と反復運動が必要だなと具体策を考えるに至る。そこでエンジンバイクから離れて、日々足で漕ぐかと空気が抜けたままのクロスバイクのタイヤ修理に手をつけたが、持続させよと戒めつつ修復強化継続するには、環境を考慮すればオフロードだろう。湾岸の勝鬨から月島、豊洲、銀座など平地を乗り回したクロスバイクのドロップハンドルでアップダウンと悪路の山地を呑気に週一でしれっと走るつもりはない。下ろしたサンドバックをまた吊るか。