shadowboxer.jpgShadowBoxer(2005) / Lee Daniels : 昨日のEric Canuel(カナダ)から幸運が続き、何気なく選んだ素晴らしい作品をゲット。俳優も凄いが、監督の演出の切れ味、キャスティングにため息がでる。だが「トラウマ」の部分はカットしたほうが深さがでる。脚本ももう少し磨き込む余地あり。ラストは多少がっかりしたが、映像が芳醇。邦題はこうした良い作品に限って出鱈目。色彩学習用に買いか。潤沢な制作環境は大事。
人身売買の社会派サスペンスというSex Traffic(2004)は、悪しき温床を生んだとする状況構造描写が稚拙、子供じみている。現代の先鋭的な、組織倫理構築が加速していることを示した上で同じことを重ねていただきたい。善悪を超えた構造の力学は既に至る所にあり、そのリアリティーは、感覚的、感情的に扱う浅い手法では、明快にならない。
int_aruinu_p1.jpg映像が幻視できる文体に大いに惹かれる時は、言葉の力が人間を縦断して視覚経験へと突き抜けるからだが、言葉の連なりという形態を伴ったままであれば一層その文体は奥ゆかしい輝きを帯びるものだ。同じように、映像から血肉に瑞々しい巡りを齎すものは、夢を実感する体感に、現実の空間の感触が併置されて加えられるそのバランスにあるようだ。
「あの身体と、この身体」あるいは「あの空間と、この空間」を一瞬繋ぐ、同一化できない矛盾した同時性が、観念よりも先に反応して、固有なリアクション(印象)を生むのだと云える。だから肝心なのは、「あの身体」「あの空間」自体ではなくて、「この身体」「この空間」の感触の正当性に、いかに映像を寄り添わせるかということになる。
36 Quai des Orfevres(2004) / Olivier Marchal(1958~)(left-image)端的な対立構造の物語だが、脚本は飽きさせない。Valeria Golinoのキャスティングが素晴らしい。けれどもラストは上手にまとめすぎ。


雨の中、genta,garioと車にて撮影。戸隠の森を車内より狙う。色は瑞々しいが、なかなか難しい。
大久保の茶屋にて3人で蕎麦を喰い、スキー場あたりの林道を徘徊する。
大座法師池まで戻り、付近の湿地をと車を降りたが、雨なので、珈琲で休憩しようと、まりみ屋という店にふらっと入ると、喫茶「ほとり」が含まれた陶芸教室で、作品の並ぶギャラリーとアトリエが、移築された藁葺きの建物に構築を始めてまだ間もない空間に、おおらかに展開されている。
以前小布施で出品したという宮下さんに話を伺い、撮影などさせtいただく。